国際学会に行こう!! 思い出

国際学会に行こう!! 思い出



最初に外国に行ったのは1976年だったか。
フランスのリヨンで金属微粒子の国際会議を開くが出席しないかと言う手紙がきた。当時、ニッケルや銅の微粒子や吸着を扱っていたので、出席することにしていってきた。当時は大学院の学生で、収入も殆んどなかったので女子高の非常勤講師の給料やカンパで何とか行ってきたが、当時はまだ航空券が高かった。正規で60万円くらいした。格安を紹介してもらって行ってきたが、それでも滞在費を含め60万円くらいかかった。パキスタン・インターナショナル・エアライン(PIA)を使い、パリでは一つ星の康ホテル。リヨンでは夏休み中の大学の学生寮などを利用した。
リヨンには触媒研究所がある。日本のものと違って、総研究者数300人くらいの大きなものだ。

金属中に不純物を入れるとその周りに電子密度の濃いところ薄いところが振動するようにできるが、それをFriedel Oscillationと言う。そのFriedelも来ていた。バルク金属を2つに切って表面を作るとそこでも電子密度の振動が現れる。Surface Induced Friedel Oscillationである。

次の年、イリノイ大学物理学科のクンツ先生のポスドクになって行ったが、この時も旅費の工面が大変だった。なんせ給料をもらわずに、授業料を払わなければならなかったのだから。ドクター論文の副論文は9報。シングルネームが殆んど。もっと書こうと思えば書けたが。給料もらって、外国に遊びに行ってそこでも給料をもらうなどと言う二重取りの先生もいたが。こう言う人は外国から帰ってきてすぐ家を建てられた。

今はインターネットが発達しているから、必ずしも国際学会に行く必要はないかもしれないが、行けばそれだけActivityが高いと評価される。気晴らしにもなるし。ただ、学生だと金を出してくれるところがまずないから、安い航空券を探す他ない。


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